分類について
ヤマトシジミは宍道湖が私たちにくれた大きな大きな自然の恵みです。
宍道湖が内水面漁業の中で日本一の漁獲量を誇れるのもヤマトシジミのおかげです。
私はその魅力にひかれて宍道湖の生物の中では最も大切なものとの思いをもって、約30年その調査や研究を続けてきました。その研究の成果をもとにヤマトシジミの生態と漁業について紹介したいと思います。
日本に生息しているシジミ属は写真のようにマシジミ、セタシジミ、ヤマトシジミの3種です。
マシジミは水田周辺の小川を中心に生息していましたが、現在はその生息環境の悪化によってほとんど姿が見られなくなりました。
セタシジミは琵琶湖の特産種であり、かつて6000トンも漁獲されていましたが、近年は200トン前後に激減してしまいました。
したがって現在、市場で見られるシジミはほとんどヤマトシジミです。一般にシジミと言っているのはヤマトシジミだと考えていいと思います。
宍道湖に生息しているシジミも、もちろんヤマトシジミです。
しかし近年、中国、韓国、北朝鮮、台湾などの国から外国産シジミが輸入され、従来の日本産シジミと偽って販売されるなど社会的な問題も起きています。
また、この様な外国産のシジミが日本の河川湖沼に放流されることのないようにしなければなりません。
日本に生息するシジミ3種
マシジミ |
セタシジミ |
ヤマトシジミ |
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分布・生息域 |
淡水 |
淡水 |
汽水 |
全国の小川 |
琵琶湖にのみ生息 |
汽水湖・河川感潮域 |
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発生 |
雌雄同体 |
雌雄異体 |
雌雄異体 |
卵胎生 |
卵生(受精) |
卵生(受精) |
|
浮遊期 |
ない |
短い(数時間) |
長い(3~10日) |
染色体数 | 54(3n) | 36(2n) | 38(2n) |